枝折-しおり-

趣味や日常の出来事など気ままに、マイペースに綴っています。

訃報

突然ですが、おばあちゃんが亡くなりました。

夫を早くに亡くし、女手一つで息子と娘を育て上げ四十数年、再婚することもなく、我が道を貫いて逝きました。89歳でした。

 

初めてだらけのお通夜などひと通り終わり、まだ遺品整理などでバタバタしているところですが、とりあえずひと段落。

 

半年前に緊急入院して、そのままでしたね。。

寝たきりでも何度か数時間だけ部屋に帰りはしたものの、やはりそのまま病院で息を引き取りました。

ある日、最高血圧が60まで下がったと知らされ、私たち孫もその日は付きっ切りでお見舞いに行っていたのですが、看病というよりも最期の見送りという言葉が適切でした。

両親はその日初めて病院に泊まるつもりだったのですが、もうその深夜には。。

後から両親に聞いた話ですが、最期はそのまま静かに瞳を閉じたのだと、言っていました。

 

元から体はあまり強くないタイプで、精神科や内科から強力な薬を多種類に大量に服用していました。

悪いところを治療するための薬を飲んで、その副作用を抑える薬を飲んで、更にその副作用を抑える薬を飲んで、、、なんて終わるわけないですよね。

結局、腎臓の機能不全に陥り、無い体力を絞って透析をしていましたが、後に嚥下機能も衰えてしまって。

ずっと元の生活に戻りたい、帰りたいと言いながら治療していたのですが、孫には叶えてあげられませんでした。

 

ニュースなどで訃報というのは日常的に聞きますけど、とても大変なことなのだと、教えてもらいました。

知識として解っていたつもりでも、実際に経験するのでは気持ち的にも体力的にも全然違います。

 

悔やんでももう帰ってこない人。

一緒に酒も飲んであげられなかったなーとか、最後にもう一度手作りの赤飯が食べたかったなーとか、、、なんで今気づくの?っていう心残りばかりでてきます。

本当に、今さら気づいてももう何もしてあげられないじゃんね。

遺影の前で手を合わせることしかできないですよ。

 

まだ入院する前、彼女ができたんだと話しながらスーパーへの買い物に付き添ったあの日。

「アンタがしっかり守ってやるんだよ!」って言葉が頭の中で反芻しています。

わずか半年前にまだまだ続くと思っていた日常が、指の隙間からするりと、落ちてしまいました。

とてつもない喪失感を感じています。

 

入院中お見舞いした時の帰りに手を握ってほしいと言われて、掴んだ左手。

若い力を分けたようなつもりだったけど、本当の気持ちはどうだったんだろう。

まだ気持ちの整理が追い付いていないですね(汗

病院に行ったらまだお見舞いできるんじゃないかと錯覚してしまいます。

 

いま言えることは、今この日常が一番大切な宝物になるという事です。

だから皆さんにも大切な人といる今この瞬間を、大切に生きて欲しいと願います。

過ぎた時間は、本当にもう返ってきません。

明日も少しお部屋の整理を手伝ってきます。