枝折-しおり-

趣味や日常の出来事など気ままに、マイペースに綴っています。

友達とカラオケに行って取り憑かれた話

あれは昨日の昼下がりの事。
久しぶりに友達からカラオケに行こうと誘いが来た。

毎回札幌から千歳に足を運ぶ俺に気を使って、今回は北広島の店に行くかと提案があった。

彼の家は千歳にあるため、カラオケの後はどの道千歳に遊びに行く事になるのだが、まぁ特に深くも考えずOKをした。

そして来たカラオケボックス
開口一番妙な事を言い出す彼。

「こういうところって溜まりやすいからな〜」
『、、、霊的に?』
「そうそう、額縁とか掛け軸とかあったら絶対裏見るもん。」
『またかw』
そう、彼はオカルトや心霊現象に一定の興味があるタイプだ。
かく言う俺も幽霊は信じるタイプだが、いつもの事と思って特に気にしてなかった。
いつも何も起こらないし。

しかし建物に入るや否や珍しく不機嫌な彼。

行列によって予約した時間を過ぎていた事と、受付に来て初めて会員カードがアプリに切り替わったと案内を受けた事に腹を立てていたようだ。
だとしても10年来の付き合いだ、普段温厚な彼がその程度でイライラしている姿は初めて見たし、少し妙だなとも思った。

そんな違和感を抱えながらも案内された19号室。

アジアン風の部屋で木の仮面が2つ掛かっている、少し薄暗い部屋。

エアコンを付けようとした彼は一瞬戸惑う。

「、、、? なんかこれ付き悪い。」

接触不良なのか、電池切れなのか、起動にコツがいるようだった。
同じくデンモク(曲を転送する機械)もそうだ。
特にカラオケ好きな彼はしっかりと会員になっており、いつも通りログインしようとしていたが何度やっても読み込み時間オーバーとなる。

曲を転送する時もしっかり向きを合わせて近づけないと曲が入らない。
どうやらすこぶる電波が悪い部屋に当たってしまったようだと思った。

機器の交換をしてもらおうと彼は電話で店員を呼び、事情を説明した。

ああ、この部屋いつも電波悪いんですよねー。

日常的に起こっているのだろう、面倒そうに言い放つ店員は慣れた手つきで再起動し、ダメだったらまた呼んでくれと早々に出ていった。

「、、、なんかこの部屋嫌だな。部屋移動しようぜ。」
「あと一応写真も撮って後輩に送っとくか。」

どことなく薄気味悪さを感じていた彼がそう言い放った。
彼の後輩は幼い頃から霊感があり、いわゆる視えるタイプの人だ。

そして交渉の末、別の部屋へ移動させてもらい、3時間たっぷり歌い倒した上でその場を後にした。
移動先は移動先で前の人の香水がきつかったのだが。



その後、彼の後輩から連絡がきた。
撮った写真は3枚、その全てが心霊写真となった。
楽しそうにしてる子供の霊が3人、人々の負の感情が固まったとされる謎の物体が1つ、テレビ画面の前に前のめりに画面を覗き込む女性の霊が1人、黒塗りで壁に見えるらしい真っ白な扉、下半分が真っ黒になった真っ白な受話器。

そして極めつけ、写真を撮った彼の右肩には女性の腕ががっちりと掴んでいるとのこと。
聞くとその部屋に居る間、右肩が痛かったと言う。

慌てた様子の後輩、直ぐに合流して祓いたいと申し出られ、急遽お祓いをする事となった。

どうもその肩の霊は手、腕、肩、顔と少しずつ姿を現し、体全体が完全に見えてしまうと通常の塩などで祓うのは困難になると話していた。

そんなアニメみたいな話が現実にあるとは思わなかった。
実際放置していたらどうなっていたのか、全くの一般人である俺には分からない。
しかし仕事も真面目でしっかりしたその後輩が言うのだから、きっと本当のことなのだろう。

電子機器の調子が悪く、受話器の黒い部分を掴んで店員に電話したことがトリガーとなったのでは無いかと話していた。
そんなん、、、回避のしようがないやん。

ちなみに子供達の霊はただ遊んでいるだけで害はないのだそうだ。
たまたま2人ともその席には座らなかったが、もし座っていたら怒りを買っていたかもしれなかったらしいが、、、。

彼が入店早々苛立っていたのは、霊と波長が合う事で他者の感情が入り込むからなのだと説明していた。

嫌な雰囲気を感じる程度でレベル1
何も無いのにイライラするなど、自分以外の感情を感じる程度でレベル2
波長の合う霊が視えるようになる程度でレベル3
意図せず全ての霊が見える程度でレベル4
霊と対話ができる、浄霊、除霊ができる程度でレベル5

そんなことを言っていた。
どうやら私の友人は霊能力者として確実に進化しているらしい。


そんな不思議なことがある1日だった。
みんなもカラオケボックスには気をつけるんだぞ。
違和感があったら、普通の食用の塩をお風呂に入れて入浴すると身体が清められるそうだから。
やばいと思ったら試して見てくれ。